今日悩んだ英文4

本日の英文はこちら。

"This will undoubtedly increase their happiness, but it will of course diminish the sadistic pleasure which the conventional at present derive from having the unconventional at their mercy."
Bertrand Russel, The Conquest of Happiness, Horace Liveright, Inc, 1930

補足として、Thisが指しているのは、assosiations of persons with similar tastes and similar opinionです。
この指示内容は、直前の文に出てきます。Thisをこれに置き換えます。

Associations of persons with similar tastes and similar opinion will undoubtedly increase their happiness, but it will of course diminish the sadistic pleasure which the conventional at present derive from having the unconventional at their mercy.

前半は、大して難しくありません。
厄介なのは、後半に登場するwhichが導く関係代名詞節の部分であり、かつその節の中の動詞は何かというところです。

とはいえ、その動詞が十中八九deriveだろうというのは、お分かりかと思います。
ではなぜ、この形なのか。もっと言うと、なぜ三人称単数になっていないのか。

先行詞はpleasureです。よってwhich₌pleasureです。このwhichが主格の関係代名詞だったとき、deriveという形は不可です。三人称単数が主語なら、derivesにならないといけません。となると、この関係代名詞whichは、主格の関係代名詞ではありえず、目的格の関係代名詞であると考える他ありません。では、この節の主語は何か。

動詞がderiveという形をとるということは、主語が複数形である必要があります。でも、複数形の名詞が一体どこにあるというのか?僕はこの文に初めて遭遇した時、ここで「おや」と悩みました。

ここでやけになって、英文が間違っているとか、例外的な文法が適用されているはずだとか考えてしまうと、オシマイです。上達はありません。納得のいく理由を粘り強く考える必要があると思います。

悩んだ結果、ひらめきました。the conventional at presentという部分、一見すると意味が分からない表現だけど、考えてみたらthe+形容詞の形に、副詞句at presentがくっついているだけだ。だからこの部分は、「~な人々」という意味だ。つまり集合名詞なわけだから、複数扱いだ。

この点を踏まえてthe conventional at presentという表現を再解釈すると、「(今ある)伝統を重んじる人々」といった感じに訳すことができます。すると同時に、この文の全体像も見えてきます。

ここで整理を兼ねて、後半の部分の各語句の役割分担を書き出します。
・which=pleasure: 関係代名詞節の目的語
・the conventional at present: 同節の主語
・derive: 同節の動詞。かつ、derive A from B(BからAを得る)という構文を成しています。

続いてこの構文のAとBが何者かという点ですが、
・A: もちろん、目的格の関係代名詞として前に飛び出たpleasureです。
・B: 名詞句になるのは、動名詞で始まるhaving the unconventional at their mercyの箇所しかありません。have+O+副詞句の形です。have+O+過去分詞形と似たような構文で、Oを副詞句の状態にするという意味になります。

色々補いながら関係代名詞節を文に直しますと、
The conventional (people) at present derive (the sadistic) pleasure from having the unconventional (people) at their mercy.
となります。

訳しますと、
「今ある慣習を重んじる人々は、その慣習に沿わない人々を思うがままにすることから嗜虐的な悦びを得る」
となります。
う~ん、恐ろしい文です。マイノリティがドSなマジョリティに迫害されるのは世の常ということでしょうか。

最後に、全体を訳します。

Associations of persons with similar tastes and similar opinion will undoubtedly increase their happiness, but it will of course diminish the sadistic pleasure which the conventional at present derive from having the unconventional at their mercy.

「似通った嗜好や意見を持つ人々が繋がりを持つことにより、そのような人々の幸せは間違いなく強まる。一方で、当然、今ある慣習を重んじる人々が、それに沿わない人々を思うがままにすることで得るような嗜虐的な悦びというのは、見られなくなっていくに違いない。」

やりたいことをやっても、それが社会的慣習に合っていないからという理由で責められることのない社会に生きることができるとしたら、それは幸せなことです。TOEICは、伝統的ではないからダメ!とか、言いたい放題言わてれますね。

本日は以上です。
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第229回 TOEIC公開テスト 感想

本日は公開テストでした。
受験された皆様お疲れさまでした。

女性が飲み物をボトルから飲んでいるフォームでした。

以下感想です。

Part1 標準
動詞acceptが物理的な物品の授受を描写するのに使われていました。

Part2 やや難
型外れの問題が多くありました。11~20問目からキツくなり、Part3&4の誤答貯金を使い切る恐怖に苛まれました。

Part3と4 標準
標準的だったと思います。ただ、新しいTOEIC慣れしていないナレータの登場も相まってトークのナチュラル感が増しているように思います。

Part5 標準
101問目から、二年に一回くらい顔を出す所有代名詞の設問が出ました。再帰代名詞を選んでしまった受験者が結構多かったのではと思います。二年に一回といえば、同じくらいの頻度で問われる文法として有名な、未来完了も登場しました。なんだか同窓会みたい。

Part6 標準
文挿入問題が消去法で解く類のものでなく、文脈判断でしっかり解けるもので、やりやすいと感じました。

Part7 やや難
ところどころに、本文の記載と正解選択肢の距離感が大きいものがあり、回答に時間がかかりました。特にシングルとトリプルのごく一部の問題に悩まされました。

チャット問題では、省略が使われていました。
こんな感じ↓
He might know the reason it is not working.
reasonの後ろにいるはずのwhyが省略されています。手元の文法書にも書かれておりますが、良く起こる現象ではあるので、別に壊れた英語というわけではありません。

全体的に、語彙が結構難しくて、戸惑った受験者も多かったのではないかと思います。expediteくらいの単語は、以前ならspeed upあたりの表現で言い換えられていたものですが、もはや必須語句の範疇に入ってきています。

今回は、L/Rともに2ミスくらいで落ち着いてくれればよいかなと思います。

980~990あたりのスコアがおそらく出るでしょう。

今日悩んだ英文3

今日も読書です。

"Emperor Valentinan Ⅰ made maleficium a capital offence, and Theodosius Ⅱ forbade all forms of magic, however benign they seemed to his subjects. This departed from previous imperial policy, which had been clear about the illegality of harmful magic, less so the popular sorcery."
Malcolm Graskill, WITCHCRAFT: A Very Short Introduction, Oxford University Press, 2010

魔術とそれを取り締まる制度のお話で、時代ごとのその変遷に関する説明箇所を抜粋しています。

今回困ったのは、less soのsoが何を指しているかというところのみです。

省略は、何が省略されているかをはっきりさせないといけません。省略を省略のまま読んで、本当は正確に理解していないのに、なんとなくわかった気になって放置する癖をつけてしまうと、いずれその報いを受けることになります。

soは、ご承知のように前に示された表現を省略する時に使われます。では、ここでは何が省略されているのか。
答えにたどり着くには、soの前の部分を理解しておく必要があります。

一旦全体を訳します。

「ウァレンティニアヌス一世は、maleficium(人を苦しめる魔術)を極刑に値する罪とした。そして、テオドシウス二世は、あらゆる様式の魔術を禁じた、たとえ如何に自らの臣民にとって無害なものであろうともだ。このような政策は、前時代の君主のそれから逸脱したものとなった。即ち、有害な魔術の違法性が明確であり、大衆的な魔術はless soであった、前時代の君主による施策からの変容であった。」

日本語にしてやると、だいぶ分かりやすくなると思います。理想は英語を常に英語のまま理解できることですが、それはなかなか難しいので、時には母語の力がもたらす発想力を借りて考えることも必要です。それを嫌がって、ふわ~っとした理解のまま読み進めると、英語学習的な観点でも、文献講読という観点でも、有意義なものとはならないと考えます。

話を戻します。訳文の後半を見るとわかる通り、「有害な魔術」と「大衆的な魔術」が対比されています。
どうやら、有害な魔術というのは、違法性が明確なようです。
一方、大衆的な魔術は、(有害な魔術ほどは)soではないようです。

殆ど答えが出たような気もしますが、本文の表現に置き換えてみると、so=had been clear about the illegalityです。
soにlessを組み込んでやると、had been less clear about the illigality (of popular sorcery)とでもなるかと思います。

less soの部分に、上の一節を埋め込みます。そのまま埋め込むと壊れるので、補う言葉は補います。

"Emperor Valentinan Ⅰ made maleficium a capital offence, and Theodosius Ⅱ forbade all forms of magic, however benign they seemed to his subjects. This departed from previous imperial policy, which had been clear about the illegality of harmful magic, (but) had been less clear about the illigality of the popular sorcery."

改めて全体を訳します。

「ウァレンティニアヌス一世は、maleficium(人を苦しめる魔術)を極刑に値する罪とした。さらに、テオドシウス二世はあらゆる様式の魔術を禁じた、それがたとえ如何に自らの臣民にとって有益なものであろうとも。このような政策は、前時代の君主のそれから逸脱したものとなった。即ち、有害な魔術の違法性が明確であったが、大衆的な魔術の違法性はそれほどは明確ではなかった、前時代の君主による施策からの変容であった。」

要するに、かつてはグレーな領域もあったのだが、魔術の違法性の範囲が次第に拡大していき、テオドシウス二世の治世に至って、あらゆる魔術が違法になってしまった。ということです。

ところで、popular sorceryのsorceryは、「黒魔術」という基本的に邪悪なニュアンスを帯びた単語です。しかし、popular(₌多くの人に愛される)という単語によって修飾されることで、ここでは意味がかなり中和されていると考えられます。

そこで、僕がもしこの文章で問題を作るとしたら、「本文中のpopularを置き換るのに最もふさわしい単語を、本文中から抜き出せ」という問題を作ると思います。

上述の内容を踏まえて本文を見れば、popularはharmfulと対比されていることは明らかですから、harmfulと対立する形容詞を本文中から選べばよいです。

答えはbenignです。

なお、僕の解釈が間違っている可能性は大いにあります。大事なのは、解釈が正解か間違っているかよりも、出くわした疑問点に対して、自分なりの納得のいく答えを出しながら読み進めることです。これを習慣化していけば、解釈の精度が上がるし、読解力の懐が広がって、読みこなせる英文の難易度の上限も徐々に上がっていくと思います。

TOEIC神社Annex10

明日はTOEIC公開テストです。

ここ3回、僕は調子を崩しております。
明日は、何とかなるでしょう。何とかします。
野生のTOEICマニアの矜持を示します。

上手くいっているあなたも、スランプ気味のあなたも明日全力を出し切れるよう、奮ってご参拝ください。
TEX神社への参拝もお忘れなく。

テンプレ
--------------------------------------
お名前:
最高スコア:
目標スコア:
ひとこと:
--------------------------------------

タイムマネジメント!

見落とし撲滅!

集中力全開!

明鏡止水!

すべて揃えば、結果はついてきます。皆様の健闘を祈ります。

shrine with dog

「TOEIC亡国論」の読書感想文

TOEIC学習者の中でちょっとした話題となっている「TOEIC亡国論」を読みました。

この本のいいたいことを一行でまとめますと、
TOEIC対策に象徴される、日本人の英語学習のあり方は、このまま続くと国を亡ぼすよ、ということです。

以下、感想です。

僕はTOEICに育てられた(そして今も育てられている)学習者なので、手放しに賛同できない箇所や、事実誤認をしている箇所が当然目につきましたが、建設的な内容であったと思います。

しかしながら、筆者が日本の英語学習事情にダメ出しをする際に、至る所でTOEICが引き合いに出されていたのは、実に残念でした。そんなにダメか(泣)。

TOEICは、過去の自分がそうであったように、偽物のままでも990点まで取れますから、「偽物でも満点が取れる試験」といわれてしまえばそれまでです。

そして、「それみたことか。だからTOEIC信仰から目を覚まし、本物の英語学習に励むべきだ」というふうに話を持っていくわけですが、それって果たして本当に学習者にとって役立つ教訓なのだろうか。

本物になるのは大変だし、本物(らしきもの)が何かを見極られるようになるまでには、きっと長い時間を要します。

TOEICにその水先案内人をさせてもよいのではないでしょうか。TOEICは、「いつもそこにある試験」なので、受験者はTOEICに見捨てられることがありません。また、ビジネスシーンや日常生活で使用される表現が形をかえて繰り返し出てくるので、繰り返し受験をしていると、野良教材で手当たり次第にがんばるよりも、効率的に定着度が高められると思います。高くつきますが。

TOEICがもたらす学習サイクルにうまく乗って所期の目標を果たし、自分の進むべき道を見出し、英語の達人になるべく励んでいる方も、僕の周囲には少なくありません。「そういうの全然いいからTOEICで遊べればいい」という人もいますが、英語なんぞ人によっては気晴らし程度のものにすぎませんから、そういう楽しみ方にも市民権が与えられるべきです。皆が英語に真剣にならなきゃいけないというのは、文化祭に心底興味のない学生に、熱心なクラスメートが「文化祭だよっ、まじめにやらなきゃ楽しくないよっ!」と言っているようなもので、傲慢かつ幼稚な発想だと思います。

また、TOEICで使用される英語は、僕が見る限りでは極めて正統的です。たしかにスコアアップ対策に奔走することは、英語学習的な観点では褒められた話ではありません。しかし、後学を意識して素直に学べば、決して無駄にはならないと思います。実際、TOEICで覚えた言い回しは、仕事でよく使います。

「仕事でTOEICの問題のようなものはほとんど見かけたことがない」といった意見が、筆者がインタビューした英語の達人の口から出たそう(インタビュー内容は作中に登場する)です。この方は一体どんな業務をされているのか。If you have any questions, feel free to contact me at XXX.とか、TOEICでもビジネスメールでも頻出の表現ですが、Eメールで使わないのか。こればっかりは結論ありきの、印象操作の嘘八百だと、言わずにはおれません。

とりとめなくなってきたので、この辺で切り上げますが、「TOEICの問題自体に罪はない」というのが僕の基本的な考えです。罪があるとすれば、対策特化で成果を出してしまった(究極的には990までいってしまった)おたくが登場したこと。それに続こうというビッグウェーブが生まれてしまったことです。うまく波に乗れればよいですが、なかなかうまくいかず、人生の貴重な限られた時間のなかで、必要以上にTOEICに囚われてしまう方も中にはいます。これは、あまり望ましい事とは思えません。ブームが生んだ弊害の一部と言えます。

時にはこの本のような意見にも触れて、自分にとっての英語とのよき関係はどのようなものか、考えてみるのもよいかもしれません。
プロフィール

HeadbuttK

Author:HeadbuttK
(略称:HBK)
崖っぷち会社員。

TOEICマニアです。
TOEIC990点を30回取得。

一応英検1級も取得。

謎団体「チーム寺子屋」所属

twitterでも同じHNで頻繁にTOEIC絡みの事を呟いてますので同志の方は何卒フォローをば。

☆TOEIC戦績☆
---昔---
01回:710(345/365)
02回:825(450/375) IP
03回:870(480/390)
04回:800(415/385)
05回:890(450/440)
---2011年---
06回:915(480/435)
07回:960(495/465)
08回:950(485/465)
---2012年---
09回:955(495/460)
10回:970(490/480)
11回:970(495/475)
12回:975(495/480)
13回:960(495/465)
14回:985(495/490)
15回:990(素点97/98)
16回:990(素点98/99)
17回:985(495/490)
---2013年---
18回:985(495/490)
19回:960(495/465)
20回:985(495/490)
21回:970(495/475)
22回:985(495/490)
23回:990(全問正解!)
24回:955(495/460)
25回:980(495/485)
26回:970(495/475)
27回:975(485/490)
---2014年---
28回:985(495/490)
29回:990(素点98/100)
30回:990(素点98/100)
31回:985(490/495)
32回:990(素点99/99)
33回:990(素点98/100)
34回:985(495/490)
35回:980(490/490) IP
36回:990(素点98/100?)
37回:990(素点99/99) IP
38回:990(素点99/100?)
---2015年---
39回:990(素点98/100?)
40回:990(素点98/99?)
41回:985(490/495)
42回:990(素点98/99) IP
43回:985(495/490)
44回:980(495/485)
45回:990(素点100/99?)
46回:990(素点99/98?)
47回:985(495/490)
48回:990(素点98/100?)
49回:990(素点100/99?)
---2016年---
50回:990(素点99/99?)
51回:990(AM全100%)
52回:990(AM全100%)
以上、2代目TOEICとの戦績
以下、3代目TOEICとの戦績
53回:990(素点99/97?)
54回:985(495/490)
55回:990(未検証)
56回:980(495/485)
57回:990(素点99/99?)
58回:990(素点95/97?)
59回:980(495/485)
---2017年---
60回:990(素点97/96?)
61回:980(495/485)
62回:980(495/485)
63回:990(素点99/98?)
64回:990(素点97/96?)
65回:990(素点97/100?)
66回:990(素点100/99?)
67回:990(素点98/99?)
68回:受験済
69回:申込済

☆英検1級戦績☆
7勝4敗4分
CSE2.0(戦闘力)2918
凡例:HBK得点/合格最低点
   1次   2次
01回:077/79|1次敗退
02回:071/81|1次敗退
03回:080/78|071/60
04回:072/81|1次敗退
05回:084/78|054/60
06回:092/78|081/60
07回:088/78|敵前逃亡
08回:087/80|066/60
09回:075/77|1次敗退
10回:093/83|064/60
11回:093/82|052/60
以下、CSE2.0導入後戦績
合格最低スコア(一律)↓
1次:2028 2次:602
   1次  2次  計
12回:2195|636|2831
13回:2190|584|2774
14回:2192|602|2794
15回:2265|653|2918

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